昨年末のNHK紅白歌合戦に出演した米津玄師さん。
ウチの大学生の子どもたちはもちろん知っていましたし、息子はかなり「好き」の部類だったようです。
息子と娘とは年に1~2度カラオケに行きますが、主に娘が歌う曲目にボカロという分野があり、それを聞くたびに正直、「こんなの歌じゃないよ~」って思いながら聞いていました。
米津氏以外の曲も多かったようですが、カラオケの画面に映し出される映像も、私にはイミフ。
すべてが理解できずにいました。
完全なる否定派です。
そして、今回の紅白に出演した米津氏を見て。
演出や歌唱についても、世間が騒ぐほどのことはないと感じていました。
同じくらいの才能を持った人は若い世代にもたくさんいるし、何が特別なのかまったくわかりません。
今の日本人特有のにわかファンが、右向け右でまた波をつくっているだけじゃん。
時間が経てばおしまい!のちょっとしたブームだろうと思っていたんです、はい。
ところが!
今朝たまたま、ソニーのイヤホンの広告で彼のWEBムービーを見たときに、感じてしまったのです、不覚にも。
「すごい」とか「うまい」とかそんな感覚ではありません。
「神」だとかも思いませんでした。
すっきりと表現するとすれば、「今まで感じたことのない魅力が降りてきた」といったところです。
単刀直入に、能力を見ました。彼に。
まずはFlamingoという歌のサビの部分にざっくり持っていかれ、そしてそのあとの中毒性。
後で知りましたが、この中毒性についてはたくさんの人が呟いているんですね。
確かにこれは一瞬で陥りました。
そして次に惹きつけられたのが、このパフォーマンス。
この体のうねりはなんでしょう。
正規のダンサーの動きとは違いますよね。
あまりに興味がわいてきたので、ソニーのイヤホンを置き去りにして、彼のことをはじめて調べてみました。
米津氏は高機能自閉症
彼が高機能自閉症だという記事をたくさん見つけました。
本人が大人になってそう診断されたと話しているそうです。
昨今はあちこちで耳にする発達障害という大きな枠でくくられている中の、ひとつの障害名です。
病気と間違えている人がいますが、これはれっきとした障害であり、突如起きるものではなく生まれつきのものです。
自閉症の中でも知的に遅れが無い障害であり、細かく言うと幼児期に言葉の遅れがあるのが高機能自閉症、ないのがアスペルガー症候群と分類されています。
高機能と診断されたというのなら、彼には言葉の遅れがあったのでしょう。
でも、だとすれば、あれだけの言葉の操りができるのは驚異的ではあります。
自閉症は全体的にコミュニケーションが苦手な障害であり、言葉もストレートで捉えることしかできません。
言葉の奥にあるものを察することは非常に難しい性質があり、彼の詩を見る限り彼が自閉症であるということに懐疑的ではあります。
コミュ障=自閉症ではありませんから。
かつて、自閉症と診断された人たちと数多く接してきた経験がある私としては、どうも腑に落ちませんでした。
この障害を持った人が、他人をプロデュースすることが可能なんだろうか。
疑念は強くなります。
でも・・
FlamingoのMVをYouTubeで見て、思わず唸りました。
彼の体のうねりと手指の動き。
衝動性を感じました。
彼の特徴のあるダンスについて検索すると、この記事に出会いました。
彼は衝動で踊っているのだと私は思います。
踊るというより、感情のままに動かしているのです。
そして独特な手指の動きは、自閉症児の特徴のある「手のひらひら」を彷彿させました。
“入っているな”と感じました。
彼が障害を持っていようがいまいが、彼自身の人生には大きな影響があるものの、こうして彼の楽曲を聴いている1ユーザーとしての私たちには、別にどうでもいいことだと思います。
ただ、こういう障害を持っているからいろんな才能があるというのはちょっと違うかなと個人的には以前から思っていました。
ニワトリが先か卵が先か的な言い方をすれば、才能の方が先にあり、その出し方に障害が影響しているのであって、決して障害が才能を生んでいるのではないということではないはずだと私的には考えています。
もし障害が才能を生んでいれば、世界中が才能に溢れかえりますから。
いずれにしても、米津氏のこれからに少し注目をしてみたいなと今朝思ったばかりの私です。
今回は話題の米津玄師さんについて書いてみました。