グランドキャニオンをあとにしても、道中こんな素敵な場所があり、車を停めてしばし散策。
娘の機嫌も少しずつもとにもどっていきます。
3日目のルートになります。
約250Km、3時間弱の運転です。
まあ、今までに比べればちょろいものです。
本当は乗馬のあとに、アンテロープ(地図の緑丸)に寄りたかったのですが、娘が難色を示したので、今回はお預け。
なぜこんなきれいな場所に行きたがらないのかというと、暑い夏に観光の列に並びたくないということ、ジープに乗って入口まで行くときに砂だらけになるということ、この2点により娘に却下されました。
でも実際、乗馬をやってアンテロープに寄ったら、モニュメントバレーに着くのはまたもや夜中になっていたかもしれません。
モニュメントバレー周辺を夜に走るとしたら、かなりゾッとします。
そもそもの話です。
Route66は長年の夢でしたが、なぜグランドキャニオンだったのかというと―
もう20年くらい前になるかと思うのですが、竹下景子主演のドラマを見たのがきっかけでした。
主人公の女性が何らかの理由で夫と別れ(死別か離別か不明)、母子家庭になり、子どもふたりを連れてグランドキャニオンまで旅をしたという内容のドラマでした。
苦労をして子どもを育てた彼女が、グランドキャニオンを見て、人間はちっぽけな存在で、悩みもまたちっぽけだったと実感する場面が強く心に残り、私もいつか同じように子どもたちを連れてグランドキャニオンに行けたらいいなあと思ったことを覚えています。
私自身には、ブログには登場しない夫がおります。
事情があり、世間一般の仲のいい夫婦とは違う生活を送っております。
今でいうワンオペ育児というヤツでしょうか。
子どもふたりを育て上げたのは私です。
それがいいかと言えばよくはありませんが、仕方がなかったですね。
と、横にそれましたが、そういうわけでグランドキャニオンにはいつか行こうと夢見ていて、Route66と合体させ、だったらどこか周辺にも足を延ばそうと考え、白羽の矢が立ったのがモニュメントバレーでした。
アンテロープもモニュメントバレーも写真やテレビなどの映像で1度は目にしている人も多いと思います。
名前は知らなくても、「ああ、ここね」となりますよね。
今回、じゃあモニュメントバレーを付け足してみようかと軽い気持ちでスケジュールに入れましたが、私にとって本家本元のRoute66よりも心に刻まれる場所になりました。
グランドキャニオンの崖のような景色のあとは、こんな原野が続きます。
走りながら、もしかしたら途中で馬に乗れるような場所があるんじゃないかと、娘のためにまだ気にしながら運転していました。
ところどころにある民家に厩舎のようなものを見つけては、そこに入っていき、家主に聞いたりしましたが、空振りで終わりました。
20人ほどのパーティーで馬に乗っている集団を見つけ、そこに行ってみると、何と結婚式をしているということ。
馬に乗って結婚式ってなんでしょうね。
写真を撮っておけばよかった~
結局、モニュメントバレーでも乗馬を受け付けていましたが、その頃には彼女の嘆きも興味も薄れていて、乗馬騒動はほどなく消滅となりました。
しばらく走ると、今度は巨大な岩の突起物が現れるようになります。
なんだか火星にでも着いたような感覚になります。
モニュメントバレーはアメリカ最大のインディアン族であるナバホ族の居留地です。
赤茶色の砂地に岩山がいくつもそびえ立っていて、そのアメリカの原風景に圧倒されます。
これはトレーディングポストというお土産ショップから撮影した圧巻のモニュメントバレー。
旅行前に何かの記事で、グランドキャニオンは「地球」を感じるけれど、モニュメントバレーは「宇宙」を感じるというようなことが書かれていました。
たしかにそのとおりでした。
私は地球という星で生きているんだなあ。
ここは宇宙の中の星なんだなあ。
宿泊のホテルはTHE VIEW HOTELのプレミアムキャビン。
THE VIEW HOTELからの眺めが最高ということでこのホテルを検索すると、プライベートコテージがあるとのこと。
景色を一人占めできるこの写真を見て、即このコテージに決定!
ちょっぴり奮発しました。
THE VIEW HOTELに着いて、大きな荷物をよっこらと転がしながらフロントまで行き、名前を言いましたが、予約がないとのこと。
はあ?そんなはずはない。
書類をひっぱり出して「コテージ」だと言うと、フロントの女性に素っ気なくしかも冷たく、「ここじゃないんですけど」と突き放され、トボトボとまた荷物を転がして駐車場へ。
「お母さん、大丈夫なの?」
THE VIEW HOTELの中のコテージなのに、別のホテルだと言わんばかりのフロントの冷たい態度に、ちょっぴり不安・・
こっちね!とブッとした顔で渡された地図の通りに行くと、数分でキャンプ場に到着。
コテージはキャンプ場の奥に並んでいます。
「え~?キャンプ場じゃん!さっきのホテルの方がよかった気がする~」と娘。
でもさ、料金は一番高かったんだよ~と言いながらコテージのプライベート駐車場に車をつけます。
その娘、コテージに入った途端感嘆の声!
この奥には2段ベッドと、シャワー&トイレ&ミニキッチンがあります。
若干狭いですが、内装も素敵。
何より窓から見えるこの景色、素晴らしいじゃないですか!
3人とも満足♪
少し休んで、先ほどのTHE VIEW HOTELのダイニングへ夕食をとりに行きます。
THE VIEW HOTELに併設されているお土産ショップのトレーディングポストから入るとレストランがあり、満席だったので少し待ちました。
ようやく席に通されてみると、ん?日本でチェックしておいたダイニングとは雰囲気が違います。
ガラス張りで、夕日を見ながら夕食のはずが、通されたのはスーパーのフードコートのような場所。
あちゃ~間違えた!
そこはお土産ショップの食堂で、ホテルのダイニングではなかったのです。
仕方なくそこで、二晩続けてのでかいサーモンを食べ、翌朝用にサラダと果物とサンドイッチを買って出ました。
夜のモニュメントバレーは非常に静かでした。
ここも無音だ・・
コテージに戻り、さあ部屋に入ろうとしたそのときに空を見上げて―
息をのんだというのは、このことを言うのでしょう。
満天の星!星!星!!
もちろん天の川も見えます。
いやいや天の川も境目がわからないくらいに、煙ったように夜空を埋め尽くした無数の星たち。
以前、黒部ダムでも天の川を見て感動したことがありますが、まったくもって比べ物になりません。
日本の星とは違いました。
大きさも数も何もかもが。
降ってくるようでした。
写真に撮れないのが残念ですが、THE VIEW HOTELのホームページで見つけました。
写真では伝えきれないのがもどかしいです。
あとで調べましたが、星が美しく見える最大の条件は湿気がないことだそうです。
乾燥しきったモニュメントバレーだからこそ、この星空なんですね。
一生忘れることはできないね・・3人でつぶやきました。
子どもたちが奥の2段ベッドで寝た後も、私は窓から夜の景色と星空を眺め続けました。
朝も早くから目が覚め、窓から朝日を眺めました
圧巻の景色です・・
宇宙、感じますよね。
朝起きてコテージの前に降りて行き、コテージをパシャリ。
人間はちっぽけです。
日本から持っていったカップ麺と昨日買ったサンドイッチを食べて、コテージともお別れ。
ドアを締めながら「また来るからね」と、言葉を残しました。
そして、コテージから30分程離れたフォレストガンプポイントへと向かいます。