今日は娘と、そして夫も同行して、息子の検査結果と今後の治療法を聞くために大学病院に行ってきます。
受診科は血液内科。
お気楽だった私は、あの晩を境に心の中に重石がずっしりとできました。
もう、その時より前の息子に戻ることはないということに、うずくような何かが波のように押しては引くという現象を感じています。
あの晩-
帰ってきた息子が言いました。
「大きな病院を探してほしい」
息子は少し前に勤務先で健康診断を受けたのですが、その日の昼間、勤務先の医務室に呼び出されて、血液の数値が異常なのでできるだけ早く大きな病院を受診してほしいと言われたというのです。
血液の数値は、風邪などに罹っても変わるので、軽い気持ちでどのくらい異常なのかを聞いたところ、もう普通ではないくらいの異常値でした。
これにはさすがに抗うことはできず。
血液の何らかの病気になっていることは間違いないようです。
洗い物をしながら、いろいろ話をしながら、うわっと気持ちが昂ぶって泣き出してしまいました。
泣きたいのは息子の方なのに。
娘が背中をさすってくれます。
情けない母親です。
お風呂から出て、息子の寝室に行きました。
息子はパソコンで病気のことを調べていました。
手を握り、お母さんはいつも味方だと言いました。
今の息子にはそんな言葉は気休めでしかないということはわかっていますが。
これまでなら、どんなことをしてでも息子を守り切ると強気で言えた私でした。
実際、そうやって守ってきたのです。
でも、大人になった息子であり、私ではどうにもできない病気という魔物であり・・
どうもしようができないこの現実。
数日後、息子は骨髄穿刺の検査を受けました。
血液の悪性腫瘍の有無を調べるのに、腸骨に針を通して骨髄組織をとる方法です。
相当な痛みを伴い、泣き叫ぶ人もいるとのこと。
息子もあまりの痛さに叫び続けたそうです。
そして今日、その結果が出ます。
悪性腫瘍の可能性は低いと思われますが、消去法でたどりつく病名も、不治の病であることは告げられています。
どう転んでも、息子は逃れられない。
息子がドクターに確認したいという質問事項をメモ書きしたものを見せてもらいました。
そこに書かれていた最後の質問-
「生きられるのか」
これをどんな思いで書き込んだかと思うと、胸が締め付けられます・・