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宣告

昨日は午前11時に血液内科に予約をしていましたが、診療を全部終えたのは15時をまわっていました。

診察前に採血をして、その1時間後に診察室へ。

家族全員で入ります。

まず今回の採血結果を聞かされ、前回の数値をさらに上回っているとのこと。

この結果、1ヶ月で1万円を軽く超える高額の薬を使うことが決まり、副作用の説明も受けました。

 

さらに息子が予想していた、一番聞きたくなかった病名を告げられました。

医師の前で皆がうなだれました。

とりわけ息子は、深く深くため息をつき、「やっぱりなあ」とつぶやき、しばらく下を向いたままでした。

骨髄の中で造血ができなくなってしまう病気で、若年層には少なく、稀だと言われている病気です。

生存率は5年とも10年とも言われていて、治療薬もなく、その進行具合を注意深く見守っていくだけしかないという厄介な病気。

これ以上ないところまで悪化をしたら、骨髄移植をするしかないのですが、これは生き延びるための手段であり、うまく適合して普通の生活が送れる確率はそう高くないとのこと。

上昇していた血球の数値を抑えるための薬は、あくまでも数値を抑える薬であり、骨髄の造血作用には何の効果もなく、ただただ年単位で骨髄の中が固くなっていく経過観察を続けていくだけの予後であるということ。

 

診察を一旦終えて、心電図やエコーの検査に回され、その待ち時間に息子がぽつりと言いました。

「これからどうなるか、いつまで生きられるかはわからない。でも自分が死ぬ原因が、おそらくだけどこれになるんだということがよくわかった」

重かったです。

 

家に帰って自室でため息をついた私。

今回のことで、涙が出たのは数回。

取り乱すこともなく、号泣し続けることもなかった。

なんでだろう。

今までどんなことがあっても、子どもたちの前に立ち、守るために戦ってきた私です。

正面から挑み、決して負けるものかと強気で生きてきました。

でも今回は違う。

なぜなのか。

息子が大人になっていたから。

これがとても大きかった。

もう私が全力で守るというより、息子自身が自分をガードをしている。

そこに私の出番がないということがわかりました。

私が老いてきたせいもあると思います。

彼が彼の力で、自身を守り戦っています。

明らかに私と息子の間には、何らかのラインが引かれているのを感じています。

それは私が引いたラインなのか、息子が引いたものなのか。

年をとって臆病になって、がっつり真正面から切り込めていけない自分に、なんだか敗北感もあり、それがまた悔しくも思えます。

 

息子の部屋に行き、その話をしました。

「それでいいんだと思う」という息子。

「俺も真正面から戦うつもりはない。だってこの病気には武器がないから」

戦うと意気込んだところで、自分を追い込むだけ。

のらりくらりと生きることの方がはるかに勝因があるという息子。

この子は本当に賢く、優秀だ・・

それでも自身が奮い立っていないことに違和感を感じている私。

ただ、息子に追いついていないだけかもしれません。

 

時間をかけていこうと決めました。

というか、時間がかかると感じました。

これからの長い道のりの一歩を、まずどこに向けて踏み出すのかを。

どうすれば息子の支えになるのかを。