ram-cafeクラブ

今どきニュース・旅行記・大学生&社会人の子ども情報など、50代女子のよろずブログ。

私の受容

先日、息子の希望で、がん保険を扱っている保険の窓口に行ってきました。

今の息子の状態で保険に加入できるのか。

私は無理だよと言っていたのですが、息子はプロの口から聞かないと信用できないようで。

息子の場合、これから移行する可能性のある病名も多く、そのどれもがみな重病であり・・

対応していただいた女性。

聞いたこともない病名を時間をかけて調べ、電話で問い合わせをしてくれたりして、やはり返ってきた答えは「NO!」。

息子が現在入れる保険はゼロでした。

今年の4月に新しく社会生活をスタートさせ、勤務先から保険のパンフレットをもらってきた息子に、なるべく早く保険にひとつ入っておこうねと話していました。

まあ、今年中にいい保険を選んでおこうかなあ・・なんてのんきに構えていたら、あれよあれよという間にこんな事態になってしまいました。

親としては後悔しています。

息子が子どものころから共済には加入していたので、唯一それだけが救いになっています。

 

病気を持つということは、体を蝕むだけでなく、社会的な信用や、時には差別や区別のような扱いも受けることもあります。

病気の進行によっては、出世もあきらめざるを得ません。

近所のクリニックでは、病名を告げれば万が一の心配や危険もあり、一定以上の診察や検査を断られることもあります。

住宅ローンの団信にも加入できないでしょう。

大きな病気を背負うということは、いろんな意味で大きなハンデを抱えることになります。

今息子は、そういう壁にぶち当たって、もやもやや苛立ちがあるようです。

時折、なんだよそれ!とブチ切れていますが、それでも彼は冷静であり、受け止めていこうとはしています。

受容というのはとても時間のかかること。

そしてかかった方が、のちにしっかり安定もするというのが私の持論です。

もがいている息子にいちいちきちんと反応しながら、一気には定まらない息子の思いに肩を並べるつもりでいます。

これが私の受容なのだと、最近やっとわかってきました。

私にできることは、息子の中のもやもやが、ひとつの形を作り上げる手伝いをしていくこと。

自分の生きてきた経験を最大限に活かして。

 

冷静にもなりました。

息子が突然倒れたり、死んでしまうようなことを想像していましたが、それはないかなと思うようになりました。

主治医が居て、経過観察もされていく中、突然死してしまうようなことは、普通の人よりも確率が低い気がしています。

コントロールされていくわけですから。

そして、幸いなことに、普通に生活ができ、制限されることはほぼありません。

食事もスポーツも趣味も、これまでと同じでいいわけです。

ただ毎日、病気が進行しないように願うということを除けば。

 

これまでと同じように、息子との時間は大切にするつもりです。

息子が感動したグランドキャニオンの夕日を、もう一度一緒に見に行くつもりです。

世界のディズニー制覇を目指している息子、あとはパリと香港のふたつでコンプリートされるので、それは近いうちに実現させてあげたいと思っています。

コロナで停滞している時間ですが、私なりに動かしていきたいですね。

息子にではなく、私自身にも限りが見えてきていますから。

 

50歳台の後半になり、新たな重い荷を背負うことになりました。

人生山あり谷ありといいますが、本当にその通りで。

ここしばらくはのんびりと羽を休めていて、飛びかたさえも忘れていた状態でしたが、新たにまた動き出せと言われてしまったようです。

社会人の息子と共にこのマンションに移住したことも、なんだか導かれてきたような気さえします。

 

さて、劇場型の私の人生。

これまでは好きなように舞台で踊っていましたが、今度は主役である息子をがっちりホールドする裏方になりました。

まだまだお母さんはやります。

f:id:route66ram:20210814080248j:plain