息子の就活と娘の就活。
2年前の息子の就活は非常に困難を極め、30社以上にチャレンジして、内定をもらったのはわずかに1社。
その内定も夏が終わるころであり、内定欲しさに受けた企業であり、まったく興味も適性もない業種でもあり。
内定はもらえましたが、その頃には親子で何度も話し合って、就活浪人を決めていました。
浪人して、1年勉強して、国家公務員を受験しようと。
息子は一応の学歴もあり、勉強は嫌いではありません。
でも、その他に特化するものがなく、話すのも苦手で、ESやSPIなどの適性検査は難なく通過しますが、面接ではことごとく落とされ。
はじめから学歴におんぶして、なんとかなるだろうという一貫性のない就活になり、無残な結果となりました。
まあそのおかげで、おそらく適しているだろうと思われる公務員として、今は働くことができています。
対して娘。
学歴は中の上、明るく、話すのは苦手ではない。
顔も案外かわいいです。 ← これ結構重要(笑)
日常会話程度の英語がOK、海外インターン、短期のロンドン留学、部活動など、息子に比べるとウリである項目が多く、これで当初は結構あぐらをかいていました。
息子のときもそうでしたが、やはり戦略が甘かったですね。
同じ轍を踏み、大手企業や有名企業から狙ってしまい、ことごとく撃沈していくわけです。
そのうえ、決定的な落とし穴が娘にはありました。
算数ができないのです。
これは致命的で。
実際は、何が原因でお祈りメールをもらうのかはほぼ知ることはできないですが、娘の場合は結構ここで判断されている気がします。
そして、お祈りメールが10を超えた頃から、適性検査を実施していない企業探しを始めます。
息子のときもそうでしたが、同時にその頃から、自分に合っている業種を再考し始めます。
果たして自分はどんな仕事が合っているんだろう・・
就活とは自分と向き合うことだと改めて考えさせられます。
自分のことを知るいい機会なんですね。
でも、当の本人はそんな悠長なことは言っていられません。
6月には周りの友達のほとんどが内定をもらっていて、ゼミの中でも非常に肩身の狭い思いをしていたと後から娘に聞きました。
好きな業界が適しているとは限りません。
娘が当初目指したのは、出版やゲーム業界。
しかも有名どころを狙ったので、あえなく撃沈でしたが、これで仮に入社できたところで、娘がその企業で何ができるかと考えても、そこで働いている自分が想像できないと言っていました。
その企業で、自分が何をしたいのか、何ができるのか。
そこを主軸にして考え、行きついたのが大学職員や公務員でした。
まだ受け付けている大学をピックアップし、同時に地方公務員も調べ始めました。
そしてようやく夏になって、東京の大学職員の内定をもらうことができたのです。
一応、地方公務員の試験も1次試験の面接は通過していて、最も不得手な筆記試験である2次試験を、今月受けることになっています。
もう内定ももらっているので、落ちてもいいと思っているらしく、勉強はほとんどしていませんから、多分合格はないでしょうが。
ふたりの子どもの就活を一緒に経験した母として。
就活は戦いだなと感じました。
そしてその戦いは、地上戦ではなく、水中戦。
例えると。
悠々とうまく泳いで、波に乗って、ポトンと落とされた餌をきちんとキャッチできる魚であること。
あ、自分たちの人生もそうですね、きっと。
長い人生の中、キャッチしたエサが本当に自分にあったものかどうかはのちにわかること。
たとえそれが自分に合ったエサでなかったとしても、キャッチングの戦いは決して無駄なことではなかったと思えるはずです。
何事にもきちんと向き合うことが苦手である娘ですが、就活は何よりの経験になったことでしょう。
さてこれで、子どもふたりが晴れて自分の道を歩むこととなりました。
親としては肩の荷が降りた気分です。
オンライン授業やテレワークで、まだまだ子どもたちが家に居て、私がお世話をすることも多いですが、来年の春には確実にまた違う日常が待っています。
変わっていくことをさみしく思いながら、期待もしながら、子どもたちと一緒に、時の流れに身を任せていこうと思っています。