とうとうお別れをしてきました。
私の大好きだった自慢の家に。
表札を外したら、もう私の家ではなくなりました・・
今週半ばに仲介業者に鍵を渡して引き渡しとなるので、昨日軽く掃除と最終チェックをしてきました。
ガランとした家は一層広く、今のマンションの狭さを改めて感じます。
南向きで、明るくて、解放的で。
1日の大半をこのダイニングとキッチンで過ごしていました。
ミッキーが乗っているパソコンカウンターは、私がどうしても欲しくて、設置したもの。
どんな時もここにいたなあ・・
2階の広い廊下です。
ここには本棚を置き、自由に本をとり、雨の日には洗濯物を干すこともできました。
右側には大きな納戸もあり、収納に不自由はありませんでした。
それぞれの部屋のドアに向かって、「ご飯だよ~」、「もう起きてね~」とここで声がけをしていました。
玄関のドアから入り、リビング、ダイニング、キッチン。
そして洗面所をまわり、階段を上り、私の部屋、娘の部屋、息子の部屋、そして夫の部屋をそれぞれゆっくり動画で撮影しました。
最後に玄関に戻り、さよならの合図でスマホを横に2度振りました。
バイバイ・・
ドアを閉め、表札のあった門まで映して、動画を撮り終えました。
これを撮るために、今日はひとりでここに来たのです。
13年間の「ありがとう」と「さよなら」を、ひとりで言いたくて。
いろんなことがあったね。
私の13年間を、家族の13年間を、全部この家は知っている。
涙も笑いも、すべてをそのまま受け止めて支えて、守ってくれた。
一番の友だったね・・
今日で、もう二度とこの場所に私は帰ることができない。
この家の玄関では「ただいま~」と「行ってきます」の声掛けは、毎日の習慣でした。
必ずキッチンまで聞こえるような大きな声で、家族全員が言っていました。
私に言っていたのか。
この家に言っていたのか。
もう何もかもが戻らないということを、あらためて実感して、涙が出ました。
最後に鍵を閉めて、車庫に出たとき、シラサギが私の頭上を低空飛行していきました。
家の裏のほうは田園風景が広がっていて、シラサギをよく見かけましたが、近くに行こうとするとすぐに飛んでいってしまい、遠くで見ることしかできませんでした。
でも、はじめて間近で見ることができて、まるで私にさよならを言いに来てくれたのかのようでした。
車に乗り、家の脇をゆっくりと通り過ぎていきます。
こみ上げてきました。
そして、大声で泣きました。
ワンワンと声を上げて。
二度と戻れない場所。
二度と戻れない時間。
それがあるということを、強く強く感じました。
マンションに戻り、娘が出迎えてくれました。
大事なものはここに残っています。
あの家があったから、あの家で暮らした時間があったから、今この時間がある。
改めてこのステージで、悔いなく生きていこうと感じました。
狭いけど、朝くっきりと見える富士山と、スカイツリーが光る夜景を楽しみながら。
そして何より、大好きな子どもたちと過ごせる限られた時間を、今まで以上に大事にしながら。
お世話になった家へ-
ありがとう。
さよなら。
お互いに次のステージを、しっかり生きていこうね・・