ローマの印象をまずは、暑い!と書きました。
まあそのせいなのか、あまりいい街だなあと思うことがなかったんですね、残念ながら。
今回、ローマの主要駅であるテルミニ駅から、歩いて5分もかからないホテルに宿泊しましたが、駅周辺が汚い、浮浪者が多い、そしてめちゃくちゃ臭い。
その何とも言えない臭いのする場所を我慢して通らないと、ホテルに入れません。
大きなネズミが走り抜けていくのも見ました。
あまり悪口のようなものを書きたくはないのですが、これはもう事実であり、私たちの素直な感想です。
駅前からホテル前にかけて、大きく工事もしていたので、いろいろとこれからきれいになるのかもしれません。
そうなることを望んでいます。
と、そんな愚痴から始まりましたが。
まずは空港から送迎車に乗って着いた、ホテル「NHコレクション パラッツォ チンクエチェント」のお話から。
こちらに3泊します。
このホテル、旅行計画のはじめのころには、すでに第一希望にピックアップしてあったのですが、旅行会社に指定して組み込んでもらったら、かなり料金が高くなってしまい、仕方なく他のホテルでの見積もりとなりました。
でも、やっぱりここがいいよね~ということで、いろいろ検索をして、アメックストラベルで3泊目が無料になるという好特典を見つけ、最終的にはこのホテルだけを見積もりから外してもらい、アメックスで別予約しました。
そして当日のチェックイン。
特典のひとつとしてグレードアップがあるということは把握していましたが、なんとめちゃくちゃうれしいジュニアスイートにアップしてもらえました。
これにはもう、娘と二人でニタニタもので。
もともとの予約の部屋があまり広くない部屋でしたから、ベッドルームとリビングの2部屋あるジュニアスイートは、めちゃ満足で。
屋上へ行くと、こんな素敵なテラスがあります。
朝食も、こんなテラスで。
ローマで私たちがくじけなかった唯一の場所が、このホテルだったかも(笑)
さて、チェックイン後。
私たちは、ホテルのフロントに場所を聞いて、ローマパスなるものを買い求めに出かけました。
ホテルから少し歩いた、ローマの街並みです。
やっぱり、パリの方がおしゃれ感があったかなあ・・
かなり歩いて、やっと案内所に到着。
このローマパス、ローマでのバスや地下鉄、美術館などが、無料か割安で利用できるというもの。
今回の旅行は、ローマのホテルとベネツィアからのレンタカーの手配のみを私が担当して、それ以外のすべてを娘が計画&手配しているので、私はほぼほぼ娘の付き添いのようなもので。
だからこのローマパスについても、帰ってきてから内容を知ったのですが、かなりもったいないことをしたなあという感じです。
2日券というのを購入したのですが、まず地下鉄には一度も乗っていないし、結果的にバスも2度乗っただけ。
このパスで使った施設はコロッセオのみ。
ひとり36.5ユーロの価値は、私たちにはまったくもってなかったという結果に。
それにね、観光案内所のようなところで購入してきたのですが、窓口のおじさんに言われていたんです。
「バス、めっちゃ暑いよ・・」
この言葉を笑って聞き流した娘と、まるきり仕組みを理解していなかった母。
購入翌日の地獄のようなバスに打ちのめされ、結局それ以降バスに乗ることもありませんでしたから、なんとも無駄にした感があります。
今回は、私がアメリカの手配で忙しかったのでしかたなかったですが、ふたりで協力して話を進めていたら、全体的にもう少し賢く旅ができたということですね。
ま、なにはともあれ、初日はこのパスを購入して、途中でパスタを買って、部屋に戻って食べました。
これがイタリア初日のディナーです(笑)
ローマ2日目。
朝は気分良く、テラスでモーニング♪
この時はローマの暑さ地獄も知らず、こんな素敵な朝を迎えられた幸せに浸っていたわけで。
でも、その予兆も?
この写真を撮った後すぐに、鳩たちがやってきて、1羽2羽と増えてくる様を見て気持ち悪くなり、屋内へと逃げ込むことに。
だってね、普通にテーブルにセットされているカトラリーの上に鳩が乗っているんですよ。
うへっ!そのフォークやスプーンで、食べちゃったじゃん・・
鳥インフル、大丈夫かしら・・
青ざめた母娘、翌日からこのテラスには出ていません。
気を取り直して、屋内で朝食をしっかり食べた後、バスに乗って、まず娘の第一の目的であるバチカン市国へと向かいます。
バス内は暑かったですが、それほどの混雑もなかったのでなんとか頑張って、バチカンへ到着。
バチカン市国とは、イタリアの中にある世界最小の独立国で、カトリックの総本山。
その中には、有名なサンピエトロ大聖堂とバチカン宮殿があります。
その歴史についてほぼ興味がない私、今回は省略とさせていただきます(笑)
バスから降りて歩いていくと、すぐにサンピエトロ広場が見えてきて、すでに入場の列ができていました。
見るからにまったくもって日陰のない、風もない、あたりが真っ白に見えるほどの日当たりのよい場所で、我慢大会のように入場を待つことになります。
まあ、これも仕方ない。
中に入れば、涼しいだろう・・
並ぶこと30分ほど。
ようやく足を踏み入れた建物の中も・・普通に暑い!
まあ、直射日光がないだけマシだし、石造りだから木造よりも多少ひんやり感はあるものの・・暑い。
もうすでに、下着までじんわりと汗をかいているのがわかってきていて、しばらく歩くうちに、これは仕方ないのことだとあきらめがつきました。
これが夏のローマだと悟った瞬間でした。
大聖堂の中は、思わず唸るほどの素晴らしさ。
パリのオペラ座なども唸りましたが、それとはまた違う、まさしく荘厳という言葉がぴったりです。
やはり宗教のための建物でもあり、何も言われなくても、静かに天を仰ぐことになります。
残念ながら、大天蓋と呼ばれる見事な建造物は修復中。
イタリア、今はあちこち工事中らしく、娘も観たかったいくつかの場所をあきらめていました。
その後、クーポラと呼ばれる大聖堂の屋上に上る予定でしたが、混雑しているのと暑いのとで、断念。
サンピエトロ大聖堂を出た後、しばし休憩を兼ねてランチ。
店内は冷房は効いているものの、涼しいっ~!と感じたのは一瞬だけで、あとはもう普通に暑い。
これじゃ飲めなくったって、ビール!って言いたくなりますよ。
その後は、バチカン美術館へ。
14時半の入場予約をしていたのですが、大聖堂をかなり早く切り上げてきたので、13時過ぎには到着。
まだ入れないね~という娘。
だけど、ルーブル美術館のときは、時間が多少早くても入れてもらえたし!と母。
無理だという娘の手を引っ張って、強行突破しようとした母でしたが、むなしく追い返され、仕方なく近くのジェラートのお店で待機。
外になんて、あまりに暑くていられませんから。
1000円以上もするジェラートを2個オーダーして、なんとか40分ほどをそこで過ごしましたが、最後はもう会計してと追い払われ、仕方なく再び外へ。
日陰はたくさんの人が占領しているので、半分日が当たるような場所で、ルパンの石川五右衛門のようにじっと下を向いて動かずに耐え続けること、1時間弱。
ようやく2時半の予約者に声がかかり、入場列に並ぶことができました。
すでに体中が汗びっしょりになっていますが、安心してください、風邪をひくことはありません。
だって、館内も同じく暑いですから。
この美しい建物も、もう疲労困憊の私の眼には歪んで見えてきました。
娘は希望の場所なので、それなりに興味深く観ていましたが、私はまるで囚人のようにそのあとをついて回るだけで、娘の説明なぞは何も頭に入らず。
とりあえず、こんな感じで、素晴らしい建造物と作品の数々。
この美術館内にある、システィーナ礼拝堂には、ミケランジェロによる「最後の審判」という天井画があるのですが、残念ながら、ここだけは撮影禁止です。
やはり厳かな雰囲気で、大勢の観客がこの絵を黙って見上げていたのが印象的でした。
そしてようやく、この苦行から解放され、帰りのバス停留所へ。
しかし、待っても待ってもバスが来ません。
これもまた待つこと30分。
ようやく乗ったバスが地獄の極み。
あふれるような乗客に、わずかな冷房。
死にかけの五右衛門から、燃え尽きたあしたのジョーのようになった私、ただただこの立ったままの40分ほどの時間を、魂を抜いて過ごすしかありませんでした。
これ以降、ローマでバスには乗っていません。
ホテル近くで解放された後、駅まで歩いて夕食を買い、2日目のディナー。
節約というわけではなく、ただただ、楽にご飯を食べたかったというわけです・・
旅行では珍しくよく寝られた(まあ、当たり前)、3日目の朝。
ホテルの部屋からの景色。
左側の長い建物がテルミニ駅。
駅がすぐそばって便利ですが、やはり電車の音が聞こえます。
まあ我が家はマンションが駅近なので、慣れているせいかあまり気になりませんでしたが。
鳩の恐怖から逃れて、朝食は窓際の席。
この日はコロッセオへバスで向かう予定でしたが、前日死にかけたので、25分ほどですが歩いていくことに。
暑いですが、朝ということもあり、バスよりはマシ。
ローマの一番の見どころですし、誰もが知っている史跡であるコロッセオ。
約2000年前のものだということで、それが残っていること自体が奇跡。
近くまで来て、やはりすごいなあと感じました。
コロッセオのそばには、なんと凱旋門。
パリの凱旋門は、これがモデルだったそうです。
中に入っていくと、まずはこの十字架が。
殺し合いが行われていた闘技場なので、この十字架は必要不可欠ということだったのでしょうか。
上段から見た円形の闘技場。
ここで昔のローマ人たちは、歓声をあげていたのですね。
しかしながら、人も多く、容赦なく日差しが照り付け、もう焦げてしまいそうな中、囚人のように歩き続けたあと、またもや灰になりかけてた私たち。
次の場所へ行くのに、バスはもう嫌だということで、ほんとにUberないの?ということで試みてみることに。
あまりイタリア旅行に関わってこなかった私ですが、バスに恐怖を感じてか、ここにきて真剣に向きあうことに。
娘曰く、旅行前に調べたときに、イタリアは以前あったUberが、コロナ後にはなくなってしまったという情報をたくさん見たということ。
ほんまかいな。
そこで改めて私もスマホで検索したら、普通に走ってるじゃないですか!
ほら、見てみい!
もう、ここからはUber一択。
ローマパスなんて、まったくもって使いませんでした。
ただ、イタリアの場合は、タクシーもUberの画面に出てくるんですね。
まあ、どちらか安い方を選択すればいいだけで、その時に応じてどちらも使いました。
というわけで、次のパンテオンまでは、らくらくエアコンの効いたUberで。
パンテオンは、世界最大の石造りの神殿で、こちらも2000年前の建物。
見事です。
そしてかっこいい。
中はこんなふうになっていて、見られる場所はこれでおしまい。
すぐに見終わってしまいました。
その後は、ランチタイム。
こんな路地を歩きまわり、グーグルクチコミを見ながらレストランを見つけます。
ランチ後は、有名なジェラート屋さんである「ジョリッティ」へ。
店内はこんな感じで、たくさんのジェラートが。
イタリアといえばジェラートなので、やはり有名店には足を運んでおかないとですね。
上に生クリームを乗せてくれるので、これはうれしいサービス。
それでもあまり甘くはなく、後でのどが渇くこともないのは不思議でした。
その後は、有名どころを一気に。
こちらも誰もが知る、トレビの泉。
驚くことに、歩いていくと街中に急に現れる感じなんです。
街の中にあるので、思ったほど大きくなくて。
ただ、人がごった返していて、まるで人の海の中に存在しているような感じでした。
お次は、スペイン広場。
オードリーヘップバーンの「ローマの休日」で有名ですね。
映画の中でヘップバーン食べたのが、先ほどのジョリッティのジェラート。
この階段の途中に腰かけて食べるのですが、今は飲食禁止になっています。
スペイン広場の名前の由来は、スペイン大使館がそばにあったからだということです。
周りには、たくさんのハイブランド店があり、ここも多くの人でにぎわっていました。
あまりの連日の暑さで着替えの服が無くなり、買い足したユニクロの袋をもって、ハイブランド街からUberのベンツに乗りこむ母娘。
笑えますが、これが現実ということで(笑)
こんな感じで、ひと通りのローマを終えました。
ローマ最終日のディナーは、ここ。
もうね、ピザだのパスタだのは、うんざりとなっていて。
中華が私たちの胃を、優しく救ってくれました。
ここ、めちゃうまかったです。
燃え尽きたローマを後に、次なる街はミラノです。