初日の予定は、香港に着いてから、ビクトリアピークという丘で夜景を見るはずでした。
でも、台風のせいで夕方以降、翌日まですべてがストップするのだということ。
そうなると、翌日に桂林へは行けず、そのうえ香港の観光もできず、空白の1日ができてしまいます。
5日間という限られた日数、鉄道での桂林への移動も、片道3時間以上はかかるというなか、1日を失うのはとっても痛い。
ならば、香港に着いたその日に、なんとか桂林まで行っちゃえばいいんだ。
でも、ここで問題がふたつ。
まず電車があるかどうか、そして動くかどうか。
それから、もひとつ。
桂林まで行けるとしたら、香港のホテルをキャンセルすることになり、100%のキャンセル料金がとられてしまうこと。
1泊10万円越えの、めちゃくちゃいいホテルを予約しているのに。
これを捨てるのか。
でも、そんなことは言ってられないよね・・
このあと予定している場所に、行けない羽目にもなるんだから。
ここは苦渋の決断。
仕方ない。
とりあえず、鉄道の切符がとれたら、香港のホテルをキャンセルしよう・・
高速鉄道の香港九龍駅の中は、人はまばら。
窓口付近にいたスタッフに、息子と娘が駆け寄り、英語で問い合わせます。
まず、今日の桂林行き。
時刻表では、あと2本あるはずでしたが、すでに電車はストップしていて、明日も動きませんとのこと。
そうですか・・
これで、本日の移動の夢は断たれ、明日の香港缶詰状態が決定となりました。
そしたら、次々にやらなくちゃいけないことがあります。
まずは、今持っている高速鉄道の切符をすべてキャンセル。
これはトリップドットコムで購入したものですが、この駅の窓口でキャンセルもできるとのことなので、24日の切符と、帰りの切符をキャンセルしてもらいました。
これがどこにどのように返金されるのか、もうそんなことの確認もできませんでしたが、それよりも、やるべきこと、考えなくちゃならないことがたくさんあって。
駅のベンチに座って、まずは翌日に泊まるはずだった桂林のホテル。
この日の18時までならキャンセル料がかからないということだったので、今この時間にやらなくちゃならないのだけど、予約メールではキャンセルの方法が出てこない。
仕方なく、電話。
それでもうまく伝わらず、何度かメールでやり取りしてようやくキャンセルに至りました。
同時進行で、翌々日の陽朔のホテルも。
でもこれ、超お気に入りのホテルで、ここに泊まる方法を何とか見出したいということになり、ここのキャンセル期限は翌日の18時までなので、一旦保留。
ついでに翌々日の桂林行きの切符も購入しようかと思いましたが、列車の運行もどうなるかわからないし、自分たちの予定も立て直さないといけないので、ここは一旦ホテルに入って、翌日1日かけて立て直そうということになりました。
それにね、1日に3本しかない桂林への直行便は、すでに売り切れていて、キャンセルも今のところないようです。
乗継便でよければ本数はもう少しあり、空席もあるのですが、乗り換えは、言葉も通じず、駅自体も空港のように広かったりするので、難易度が高いということでできれば直行便がいい。
当日になれば、直行便の空席も出てくる可能性があるので、これに期待して、とりあえずホテルへに向かおうか・・
もうすでにこの時点で、頭と体を使いすぎてしまい、かなり疲れ切っていたのですが。
いつものようにUberを呼んでみたところ、指定された場所がわからず、どうやってもUber車と出会えません。
しびれを切らされて、相手に2回ほどキャンセルを食らいました。
その間、スーツケースをひきずって、あちこちを歩き回る3人。
地上に出た後、途方に暮れていたら、そこでタバコを吸っていたおじさんが、Uberならあっちに乗り場があるよと教えてくれました。
いやいや、ありがたい・・
でもそこは、通りの向こう側で、グルっと一周しないとたどり着けなくて。
もう最後はヒーヒー言いながら、ようやくおじさんの教えてくれた場所でマッチングができて、ホテルへ向かうことができました。
完全に疲れ果てて、ホテルへ。
この日のホテルは、リージェント香港。
ハーバーに一番近い、最高級と言ってもいいホテルです。

ロビーも広く、素敵です。

フロントで翌日も泊まりたいと伝え、連泊に変えてもらいました。
もうね、お高いけど仕方がない。
ここには最後の夜も宿泊予定でしたが、実はこれはまだ予約していないまま、香港入りをしたんです。
ホテルを予約しないで、旅行へ出てしまうのははじめてのこと。
トリップドットコムでのこの部屋の予約(ここが最安値)がキャンセル不可であり、金額も20万円ほどするので、ギリギリで予約を入れようと考えていたというのが理由。
でも今回、台風という非常事態になり、結局予約していないのが功を奏したということになりました。
最後の夜、香港ではなく、桂林になる可能性も出てきたので。
なんだかね、もう頭の中がぐちゃぐちゃです。
お部屋はグレードアップされて、見事なハーバービューのお部屋。

3人だからどうしても狭い。
そして、変わったタイプのツインの洗面台。

奥にはシャワーですが、なんとドアが無い!
ああ、思い出します、冬のコルマールの悲劇。
あのときも、浴室にドアが無く、寒くて寒くて、そこからドイツに入って、風邪をこじらせて帰ってきた今年のはじめ。
それから2カ月は体調が悪かったんだよなあ・・
ま、今は夏だから、たぶん寒さは大丈夫でしょう。
ちなみに、寝室との間には仕切りドアがあるので、私の牛のような裸体を子どもたちに見られることはなく、安心です(笑)
スーツケースを広げて、いろんなものを出したあと、しばし休憩。
さて、どうするか。
とりあえず、今日の夕ごはんです。
翌日以降のことは次の日に考えようね。
このホテルから歩いて15分ほどのところに、行きたかったワンタンメンのお店があるのですが、電話してみても誰も出ません。
どこもかしこも台風のせいでしまっています。
じゃあ、このホテル内で食べるしかないか。
それとも隣にある、K11というショッピングモールに行ってみる?
そこにはレストランもあるし。
いやいや、ショッピングモール、当然閉まっているよ。
ま、とりあえずロビーへ降りてみよう。
ロビーから外を覗くと、まだ雨は降っていないし、歩いている人もいました。
傘を借りて、外に少し出てみることに。
すると、隣のK11に入っていく人が。
あれ、開いてるの?
私たちも恐る恐る重いドアを引くと、入れました、中に。
中のショップは、皆一様に閉まっています。
でも、実はこの中のいくつかのレストランとフードコートは開いていたんです。
閉められたいろんなショップを見ながら、店内を歩き回れる奇妙さ。
経験が無いので、面白かったですね。
エスカレータも普通に動いていました。
こちらは、きれいなフードコート。

本日の私のディナー。

このショッピングセンターは、K11 MUSEAといって、アートとショッピングを融合させたアートモールだということ。
高級ブランドショップと並んで、美術作品があちこちに飾られていて、1階のフロアから上を見上げるとこんな感じで、芸術的です。

K11から外へ出ると、風は強いものの雨は降っておらず、ハーバー沿いを歩いてみることに。
結構多くの人が歩いていました。

ショーもなくて、きっといつもならもっと美しい夜景なのでしょう。
観覧車も光っていなくて、とても残念。

少し歩いていくと、ブルースリーの銅像がありました。
誰も写真を撮っている人がいなかったので、3人で撮り放題でした。

彼の残した言葉。
Be water,my friend。
水になれ。
どこで暮らす人の胸にも響く言葉です。
水のように柔軟に生きろ・・
ぐるっとハーバーを散策して、ホテルに戻りました。
シャワーを浴びて、皆倒れこむようにベッドへ。
なんとも、長い長い1日が終わりました。