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分断の危機

ワシントンのホテルで、発砲事件が起こりました。

この会場にはトランプさんや閣僚たちがいて、おそらくこのトランプ陣営を狙った犯行のようです。

事件の解明はこれからでしょうが、「アメリカ社会の分断」が、この事件の背景にあると、メディアでは報じています。

我々日本人も、この背景にうなづけてしまう人も多いかもしれません。

主張が違い、主張が強くなり、我慢ができなくなったときに、こうした事件が起きる。

私たちはいつもこうして、画面越しにそれを目撃してきました。

分断は怖いもの。

ヨーロッパも中東も、宗教や戦争などの理由で、分断や分割統治の歴史があります。

それでも近代ヨーロッパは、ベルリンの壁が壊れて以降、EUを発足させ、統一の歴史をあゆみはじめました。

国同士の良好な関係を築くためには、まずは国の内部が安定して、国民の平和への意識が高まってこそできることだと、こういった歴史が教えてくれています。

それでは、我が国はどうなのか。

日本の国内においては、いつの時代も戦いがくりひろげられてきましたが、明治になり、昭和になってからは、反乱があったりしながらも、日本国が分断されるようなことはありませんでした。

でも、そんな近代日本に、唯一分断の危機があったのが、日本が降伏をして、太平洋戦争が終結した後でした。

この日本をソ連、アメリカ、中国、イギリスの4か国で分割統治するという案があったのです。

まったくもって、そんなことは知らなかったのですが、これが実現しなかった理由として、米ソに冷戦の兆しがあったこと、そしてもうひとつ、実は感動秘話があったんです。

セイロン(今はスリランカ)の当時の首相であったジャヤワルダナ氏が、サンフランシスコ講和会議で、日本の分割統治に反対演説をしたのだそうです。

「憎しみは何も生まない」

「日本にチャンスを」

この神のような演説により、日本の分割統治は無くなったということ。

なんとも素晴らしい方です。

もしも分割統治をされていたら、日本は各国の代理戦争地になる可能性がずっと続いたことでしょう。

本当に助けられたとしか言いようがありません。

そして日本は敗戦後、東南アジア諸国に賠償金を支払いましたが、連合国軍への支払いは、アメリカの提案によって免除されました。

これも大きなことでした。

第一次世界大戦後のドイツは、多額の賠償金を支払わされて、その負担増で苦しんだ末に、ヒトラーの独裁政権が生まれてしまったのです。

日本も多額の賠償金支払いの義務があったとしたら、また違う道を歩んだかもしれません。

賠償金を払わない代わりに、日本はアメリカのGHQによる間接統治下に置かれ、その中で成長を遂げていきました。

こうして、日本の中でも分断は起きず、今日までこの国は、侵略も受けずに軍も持たずに、平和国家として80年間成長を続けてこれたのです。

 

そして、今。

その平和国家が、どんどんと様変わりしていくのをひしひしと感じています。

国は歩んでいかなくてはいけないし、成長していかなくてはいけません。

現状をしっかり見て、その方向性を間違えないように、慎重に。

これは、会社でも家庭でも同じで。

一歩をどこに踏み出すかで、次に備える準備が変わってきます。

たくさんの問題を抱えれば抱えるほど、何を優先するか、どこを補強するかを丁寧に考えなくてはならないはず。

今のこの世界情勢と国内状況を見たときに、少なくとも現政権が優先するべきは、国旗損壊罪だの国家情報局だの、ましてや改憲だのという話よりも、国民と国家危機に向き合う政策だと思うんです。

そりゃ同時にやるもんだと、支持者たちは言い返してきますが、どう見ても国民生活が置き去りにされていると感じます。

高市さんのかねてからの悲願のみが、圧倒的な数の力で、強引に優先的に進められているように思えてしまうわけです。

ましてや、納得がいかないのは、軍拡。

これは現実的なお金の問題から。

この超超円安時に、どうやって軍拡ができるのか。

今や、恐れていた1ドル160円。

1ドル110円でできた軍事予算が、1ドル160円では到底無理であり、相当な税金がぶち込まれることになるはず。

物価も、中東情勢の影響があろうがなかろうが、間違いなく上がっていくことでしょう。

 

まあね。

高市さんの頭の中では、いろんな構想があり、いずれ日本が素晴らしい立ち位置に踊り出るかもしれない可能性もあるということで、私の憶測での批判はここまでとして。

私が今回一番言いたいこと、どうしても納得がいかないこと。

それは、高市さんの発言のこのひとこと。

「国論を二分する政策」

国論を二分するとは、すなわち、国民を二分すること。

これを掲げるトップを、なぜにトップとして認めることができるのか、どうしても私には解せない。

どんな団体でも組織でも、分断をあえてかざすことは、それは相当な危険を伴うということ。

百歩譲って、どうしても国の改革のために、前進のために、それが必要だというのなら、丁寧に丁寧に時間をかけて国民に説明をするべきです。

なぜにその政策が、今必要なのか。

それをしたらどうなるのか。

国民にとって、どれだけのメリットとデメリットがあるのか。

国民側も、オブラートに包まれた営業トークに惑わされることなく、その真意を見定める力と行く末を想像する力を持って、その説明を受け取らなくてはいけません。

この作業には、絶対的にかなりの時間が必要なはずなのに、この世界情勢のドタバタに紛れ込むようにして、高市政権は二分する政策を着々と進めていくような気配があります。

分断が招いているアメリカの事件を見て、日本はもっと敏感になるべきじゃないでしょうか。

 

分断は、争いを生むだけ。

これは、野生動物の世界だって同じこと。

国をひとつにするために奔走するトップを、どの地域で生きる人も必要としているはずです。

これは古今東西、不変の願いです。

 

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