2日目の大阪の予想最高気温は、34℃。
まあ、暑いのは言うまでもないということで、前日万博会場へ行く前に、ホテルのフロントにお願いして、ペットボトルを2本、冷凍庫に預けておいてもらっていました。
これが大正解で。
がっちり固まったペットボトルは、夕方3時ごろまで氷が残っていて、途中の北欧のパビリオンで無料でもらった紙パックの水を、そのペットボトルに注いでは満タンにしておいたので、買い足すこともなく、冷たい水を飲み続けることができました。
冷水は本当に命綱です・・
まずは朝6時半、朝食会場。
15組ほどがすでに並んでいましたが、優先レーンの我が家は、待つこともなくレストランへ。
8時台のバスを予約しているので、ササっと食べて部屋に戻って身支度をして、バス乗り場へ。

昨年夏に、イタリアのコルティナ・ダンペッツオで買った、おそろのTシャツで出かけます。
バス乗り場のゲート。

このゲートを通ると、もうすでに多くの人が並んでいましたが、バスは次々にやってくるので、10分もしないうちに乗車できました。
朝のこの時間だからのようで、前日の夕方の利用時はバスは少なく、乗車までには20分ほど待ちましたから。
9時少し前に西ゲートに到着。
すでにこんなに並んでいます。

入場までに、30分はかかりましたね。
イタリアのTシャツを着ているので、イタリア館へ行きたかったけれど、予約はできず、すでに並んでいる人の多さに驚いて、すぐに断念。
まだ空いていたスイス館へ。
中へ入ると、こんな素敵な切り絵がお出迎え。

スイスって、こういった切り絵細工が有名だということですが、前回でも話した通り、文化だの技術だのにまったく興味のない親子。
すぐに退出。
お土産スペースで、キャロットケーキを発見したので、カフェラテと一緒に購入して、外の日陰のベンチで食べました。

そうそう、食文化にも興味がないこの親子。
だから、万博向きではなかったというのは、ごく当たり前の結論だったわけで。
スイス館のレストラン「ハイジカフェ」は人気があるようで、すでに人が並んでいました。
その後、いくつかのパビリオンを見て、最終的にアメリカとフランスのパビリオンへ。
フランスは1時間待ち、アメリカは2時間待ち。
でもよく見ると、アメリカ館は英語ツアーなるものがあり、英語でやり取りができる人は1時間待ちで入場できるとのこと。

娘は英語でやり取りができるので、我が家はこれで行こうということになり、ツアー開始の1時間前に集合。
はじめは日なたで待たされましたが、10分ほどしたら奥まで通されて、日陰で地べたに座り込んで待ちました。
巨大スクリーンを眺めながら、お菓子を食べたりして、案外楽に待つことができました。

ま、そもそもアメリカ館のPVを見て万博へ行こうと思ったわけだし、ここを見ないわけにはいきませんからね。
中へ入ると、まるでディズニーのスターツアーズのようです。

主に宇宙開発についての紹介だと感じましたが、やっぱり「アメリカは強い、すごい!」と、力強く発信しているのがよくわかり、同時にそれをその通りだなと思わされました。
5つほどのエリアの最後で、自分自身がロケットに乗って、発射されて宇宙に飛びたつような体験ができます。
ツアー参加者全員で、カウントダウンをはじめます。

参加した人を喜ばせるシチュエーションを、しっかり作っている。
流石だなあ、アメリカ!
2日間で入れたパビリオンの中で唯一、知的好奇心の薄い私たちのような親子でも、その力強い発信力で感動を味わえたパビリオンだったと言えます。
その後、フードエリアで、韓国料理の冷麺を買って食べて、大屋根リングの下を歩いて行きました。
この時、私たちはどこへ行くつもりだったのか。
このあとに起こった事故で、すっかり思い出せなくなっていますが、何かの目的があって、私たち親子は歩いて向かったのです。
そう、運命ってあるんだなあ・・とつくづく感じた事故でした。
会場には車が入れる道路があるようで、踏切の遮断機のようなものが下りていて、歩行者の通行が一時止められていました。
少しの時間なので待っていればいいものを、せっかちの私が回り道をしようと、一旦方向を変えてしまったんです。
娘はそっちへ行っても同じように遮断機は下りているはずだから、ここで待とうと言ったのに、なぜか私はそうしてしまって。
娘は仕方なく私のあとについてきました。
そして大屋根リングの中央に向かって入って行こうとしたその時に、私の少し前を早歩きですれ違っていく男性がいました。
その人が日傘を落としたのが目に入り、「あ、ちょっとちょっと、傘落としましたよ!」と声をかけたのですが、男性は聞こえずにどんどん歩いて行ってしまって。
「え、ちょっとちょっと・・」
声を出すだけで、足が動かない私に代わって、その日傘を拾い上げて男性を追いかけようとした娘。
その瞬間、悲劇が起こりました。
娘、思い切りそこで転倒してしまったんです。
一瞬の出来事で、なんでそうなったのか、理解が追い付かず。
その止まった数秒が動き出した時には、すでに娘が倒れていたという感じで。
慌てて駆け寄り、抱き起した時には、地面に数滴の血が垂れていて、そのあとにもぽたりとぽたりと垂れてきていて。
娘はうなだれながら、唇を切ったと言いましたが、抱き起してみると顎でした。
どうやら、自分の幅広パンツの裾に足が引っ掛かり、それにつまづいて転んだようです。
すぐに救護室に運ばれ、処置をしてもらいました。
救護室では、血を洗ってもらい、大きな絆創膏を貼って、それでおしまいになりました。
その後は少しだけ会場をブラブラとするも、血がなかなか止まらないので、ホテルに戻ることにしました。
あまりに疲れて、部屋で少し眠ってしまった後、ふたりでゆっくりしっかりと傷を見てみました。
すると、どうやら鉛筆を突き刺したように、細い穴が開いているのがわかりました。
決して擦ってできたものではなく、その穴を中心に、裂かれているような傷であり、穴は結構深いように見えました。
もしかしたら、日傘のつゆさきが刺さったのか、もしくは砂のようなものが入ってしまったのか。
ホテルのディナーを食べながら、異物が入っていたら怖いよねということになり、段々と不安になって、救急相談センターのようなところに電話してみると、夜間に処置をしてくれそうな病院を紹介されました。
コース料理だったのに、食べた気もせず、最後のデザートと飲み物を、とりあえず胃に放り込んで、タクシーで病院に向かいました。
たまたま形成外科の担当医がいたので、診てもらったら、ぐりぐりと異物があるか検査した後、すぐに縫うことになりました。
医師も看護師も、非常に丁寧に話をしてくれ、抜糸については埼玉でやってもらうように、書類を渡されました。
「落とした傘を渡そうとしたんだからね、いいことをしたんだから。傷もきちんと治るよ」
最後にやさしい言葉をかけられて、病院を出ました。
その後再びタクシーに乗り、ホテルに戻ってシャワーを浴びて、怒涛の1日がやっと終わりをつげました。
翌日は、ゆっくりと起床。
優先レーンで朝食会場に入り、レストランに併設されているテラスへ。

開放感があって、気持ちがいいけれど、もうすでに暑くて。
長居はしてられません。
チェックアウトは通常11時ですが、スイート特典は12時まで延長可能。
そうそう、この特典の付いたプランを予約したのは一休 。
まずはホテルのサイトで、このスイートの特典を確認して、最安値を他のサイトでも検索したのですが、同等プランをホテルサイトより安く出していたのが
一休 でした。
他社も、同じ部屋で出していたのですが、スイート特典がついていないものばかりでした。
今回は全部込々で出していた一休にしましたが、こうして細かい内容まで確認しておかないと、泊まってみて、「違うじゃん!」という結果になったりするので、この辺りは複数サイトで、マメにしっかりチェックしておくのが私流です。
さて、娘。
傷口の血はおさまりましたが、朝起きると、あごが腫れているし、腕や腰にも打撲で痛みが出てきたようで。
私はサンフランシスコで事故って以来、旅行には、湿布をかなり多く持っていくのですが、今回もこれが役立ってしまうことになりました。
12時少し前になり、チェックアウトをして、来た時と同じルートで埼玉まで戻ります。
東京駅に着いて、改札を抜けると目の前におにぎり屋さん。
コシヒカリの文字に惹かれ、おにぎり4つとお味噌汁を買って、家路につきました。
そして。
最後の悲劇が私たちを襲います。
我が家の最寄りの駅に着いて、ホームに降りた途端、なんと、娘の手からおにぎりの袋がするっと落ちたのです。
べちゃっという音とともに、目の前でコシヒカリのおにぎりがふたつつぶれたのを、ただ無言で見つめていました。
言葉を失った数秒。
これが今回の旅行の〆になりました。
万博に行った人は、「楽しかった、行くべきだ」と、皆口をそろえて言います。
確かに今から思うと、遊園地でもなく、ショッピングセンターでもなく、空間としてはとっても非日常的な場所。
あの空間を味わうことって、私たちのような親子でも十分に意味はあるんです。
でも、それ以上の意味を持つためには、知的好奇心が必要なんだろうなあと感じました。
ミーハー民族向きではないんです。
エンタメではないんです。
そこを間違えちゃうと、何のために行ったんだろうということになります。
遠方から、宿泊を伴って会場入りするならば、なおさらのこと。
暑い季節や混雑日に行くのなら、なおさらのこと。
万博の意味をしっかり理解していくことをお勧めします。
残念ながら、どの国へ行っても食文化にすら興味のない私たち親子には、万博は不向きでした。
挙句に不幸な事故にもあったし。
そしてこれは、自分たちの旅のスタイルにも結び付くものでもあり、すべてのことに対して、勝手にハードルの位置を決めつけている習性にも気づきました。
今後も、こういった自分たちの旅のスタイルや習性を変えるつもりはないのですが、これに気づけたことはよかったなと感じました。
失敗が少なくなりますからね。
2泊3日の万博旅行。
心に刻まれる旅になったことは間違いありません。
