子どもの就活に、母親はどれだけかかわるべきなのか。
子どもが相談する相手として、一番多いのは友人、その次が母親だという記事を見ました。
子どもの好きなようにさせる親も、今は多いように思います。
自主性を重んじていると言えば格好がいいですが、実際は親自身が忙しくて関われないというのが実情のような気もします。
親が忙しいのは、子どもが小さな頃から始まってはいますが。
子どもにすべて任せる親、関わり過ぎる親―
就活をする子どもにとっては、どんな親が最適なんでしょう。
あらゆる場面で「適度」という言葉を理解して、実行できるのがベストな親ですね。
溢れる情報のひとつひとつが、自分や家族に適合するかを考えて、それを適度に関わって伝えていくこと。
こんな親が理想です。
そしてそれにはまず自分自身と子ども自身を知っておくことなんですね。
私が常々子どもたちに言っているのはこのこと。
自分自身を知っている人が一番賢くて強い人
自分という人間がどんな人間なのかを把握しておけば、間違いは少なくて済みますから。
一生を通じてこれは、大事な人生の勝因になると思います。
さて、話が少し逸れました。
子育ては、「放置することもなく過干渉することもなくがベスト」だということです。
それではここで、親ができること、子どもが親にしてほしいと思われる無難なところを、さらっとピックアップしてみましょう。
まずは資金援助!
親が正しくしてあげられることのダントツが、これです。
・リクルートスーツ、靴、鞄の購入。
・パソコンはあった方が便利。
・会社の説明会にはじまり、最終面接まで何度もかかる交通費。
・写真代、食事代ほか。
近場の企業であったとしてとしても、数社から数十社の訪問回数は、結構費用が掛かります。
これを大丈夫だよ、支えるよと言ってくれる親の優しさは、就活に疲れた子どもの心にはじんわり沁みることになると思います。
自宅生であっても、ひとり暮らしの学生であっても、適度に「お金や他に必要な物は?」と声掛けをする。
ついでに近況もしっかり聞けるというのが最高の関係ですね。
子どもからの問いかけには真摯に答える
普段は干渉を嫌がる子どもも、なにかと不安になると親へのアプローチが見られます。
ここはどんなに食事の支度が忙しくても、手をとめてしっかりと話を聞いてあげてください。
聞いてあげるだけでいいのか、なにか意見を求めているのか。
就活に関しては、親の意見は指針にもなり、子どもの視野を広げる要素になる確率は高くなると思われます。
大学生は大人だと思っていても、社会においては卵から孵ったばかりの雛のようなもの。
営業だとか事務だとかという職種にも、かなり間違った捉え方をしているものです。
これを機会に、親の仕事の話などもできると、親子の距離にもいい変化があるはずです。
最後に必ず、「あなたの味方だから、いつでも相談してね」というメッセージを伝えてあげてください。
自己分析のフォロー
息子の就活の中で、どの企業だったか忘れましたが、友人、先輩、親の3者から、自分の長所と短所をコメントしてもらうという課題が出されました。
就職の活動には、人生においてのいいヒントがたくさん散りばめられていると、振り返ってみるととても強く感じます。
企業を形成している大人たちは、自分たちの青い時代をしっかりと覚えていて、そこから学生を丁寧にステップアップさせていく方法を提供しているんだなあと感心しました。
友人、知人から見た人物像と親が見た子ども像。
それを親子で共有して、笑ったり、考えたり。
そしてやはり親から見た子ども像は、素の要素で作られているので、自己を分析するのに欠かすことはできませんから、ぜひこういった場面では真剣にお手伝いをしてみてください。
これを一緒にやることで、親自身がこれまでの子育てを振り返ることもできますしね。
身だしなみをチェック
リクルートスーツは、ほぼ無地の黒一択と言ってもいいです。
僅かでも ストライプなどがあると、本人が結構気になるようです。
できれば2着あればいいかなと思います。
Yシャツは3~4枚用意。半袖も1枚。
暑い日は、半袖のYシャツがいいですね。
上着を着てしまえば、半袖でもわかりませんから。
肌寒い春先は、スプリングコートも結構利用しました。
用意があれば憂いがありません。
靴はなにしろ履きやすく、痛くならないものを。
歩きます、本当に歩きますから。
成人式の時に買ったものと合わせて2足使いました。
ネクタイも2本。
愚かな我が家の息子は、値が高かった方のネクタイをどこかに忘れてきてしまったようで、後半は毎回同じネクタイでした。
鞄は必須です。
終盤になってくると疲れて無頓着になりがちで、床屋にも行かず、ひげも剃るのを忘れたり。
靴も雨で汚れたままのものを履いて行こうとしたり。
自宅生であるのなら、目についた範囲で手を加えたり、アドバイスをしてあげましょう。
さて、就活生になる親としての心得を軽く理解したところで、次のステップです。
自分の子どもがどういう仕事ならうまくいくだろう。
どういう業種が苦手になるだろう。
子どもを一番に知っているのが親のはずです。
意見を押し付けることはできませんが、適さない方向に行くことへの回避には注力したいものです。
我が家の息子は、他人と張り合っての競争力であるとか、先頭に立って物事を推し進めるリーダー的要素であるとか、顧客に物品を器用に勧められる会話術であるとかの能力は、残念ながら持ち合わせていないし、今後もそれらを養う能力は低いだろうというように、親として判断していました。
この分析は本人とも完全に一致していて、まずはこれらを必要とする業種や職種は避けようという話をしました。
こういった分析は親の方は以前からとっくにしていて、私は息子には公務員が合っていると考えていました。
指示にはしっかりと従う素直さがあり、まじめであり、そこそこ人への思いやりもある。
役所の仕事が適しているかな~と。
大学生になった頃、そんな話をしましたが、本人は一蹴。
彼の中には、「役所の仕事=地味=つまらない」という図式がありました。
この意志は固かったので、公務員の話はまったくもって無しとなりました。
避けたい業種の話の後に、息子は憧れていた企業名や業種を口にしました。
誰もが知っている人気のある企業名や業種であり、親の方も反対の余地はありません。
漠然としたこういった構想を親子で話し始め、気持ちをある程度固める準備は前回でも触れましたが、やはり2年生の内にと勧めたいところです。
我が家はそれを3年生のプレエントリーを迎える直前になって話していた気がします。
当然のごとく、これでは遅いですね。
さあ、親子の就活がはじまりました。
何から手を付けはじめましょうか。