我が家、母子3人は非常に仲がいいと思います。
まず、一緒に居て飽きない。
週に2~3回テレワークの息子と、オンライン授業の娘、そして夫の会社の事務処理を自宅でしている私。
多くの時間をこの狭いマンションで一緒に過ごしていて、そりゃケンカも言い合いもありますが、適度な距離を保ちながら、全般にしっかりと穏やかに暮らせています。
息子はどちらかというと私似。
娘は夫似。
なので、娘の中に夫を感じるときが多々あり、腹を立てるときもありますが、娘がかわいいと思う気持ちの方が断然勝ります。
娘も、そんな私の気持ちをきちんとわかっていて、彼女なりの大好きアピールを私にしてきます。
そのひとつがハグ。
娘からのハグの数倍を、私の方からもしていますが、娘からも1日に2~3回、ムギュっとしてくれます。
これは日常茶飯事なので、気にも留めない行為でしたが、先日気が付いたことがありました。
数日前、もとの家に娘と行って、片付けをして帰ってきた車の中。
娘はすやすやと助手席で寝ていました。
信号待ちで横の席を見ては、かわいい小学生のような寝顔の娘の頭を撫でます。
そうそう、うちの子どもたち。
私は今でも頭を良く撫でるのですが、撫でると嬉しがります。
先日もワクチンの副作用で苦しんでいた娘のベッドの脇で頭を撫でていたら、スッと眠りに入っていったりします。
息子も同じく。
朝、起こしに行ったりするとまだ半分寝ていて、話しかけながらつい頭を撫でてしまうと、またそのまま眠りについてしまったりして。
私は子どもたちが小さな頃から、毎日のようにふたりの頭を撫でてきました。
「いい子だね」と言いながら。
その癖が大人になってもぬけておらず、成人した子どもたちの頭につい手が伸びてしまいます。
いいか悪いか。
まあ、家の中だけのことなので、良しとしましょう。
話は戻ります。
帰りの車の中。
MISIAの「逢いたくていま」を聴きながらふと思いました。
夫が死んだあと、こんなふうに切実に夫に逢いたいと思うことが私にあるんだろうか。
♪聴いてほしいことがたくさんある~
そう、きっとそうだと思います。
たくさんしゃべりたいだろうな・・
「あのね、こんなことがあってね」。
「こんなときどうする?」
「こう思うけどあなたはどう思う?」
話していたいという気持ち、もうずっとずっと以前からあったけど、子どもたちが小学生になったころからの夫との会話は5分ともたない。
夫がね、長い時間話すことを避けるんですね。
彼は、何の話にも興味がない。
私もいつしか諦め、その夫の代わりに娘がいたわけです。
娘は高校生くらいになると、いつでも私の話に付き合ってくれました。
♪ねえ逢いたい 抱きしめてよ~
抱きしめてほしいとはっきりと思ったことはないですが、私はこれまでの生涯、抱きしめられることが少なかったなと感じています。
母にも父にも抱きしめられた記憶はなく、夫にもあまりそれはなかった気がします。
そして今。
娘に1日1回は、抱きしめられています。
これがどんなに私を支えてきたことか。
子どもたちを抱きしめ続けてきて、いつしか娘も私を抱きしめるようになって、これが私の軌道をまっすぐにしてくれて、ずっと救ってきてくれていたこと。
帰りの車の中、今更ながらそれに気づきました。
抱きしめられてこなかった私は、今娘に抱きしめられながら、それが生きる力になっている。
本当に愛して、愛してもらいたい人に、きちんとそれをしてもらっていることはなんて幸せなことなのかと。
本来これはきっと夫婦で感じるのが望ましいのだろうけれど、辛うじて娘がその役目を背負ってくれたおかげで、私は生きてこられたんだなあ・・
助手席で寝ていた娘が起きたので、その話をしました。
でもね。
彼氏いない歴21年の娘、私が死んだあと、あなたを抱きしめてくれる人がいるかしら・・
娘は笑いながら、もう一生分をお母さんに抱きしめてもらっているからいいよ、だそうです。
そう考えると。
息子を抱きしめることは、今ないなあ・・
抱きしめられることは、きっと嫌じゃないはず。
たまに弱気になって愚痴をこぼす息子を、今度きちんと抱きしめてみようかなあと本気で思っています。
抱きしめられることは、きっと嫌なことではないはずだから。
子どもでも大人でも、男でも女でも、大切な人を抱きしめ、抱きしめられることはきっと心が温まることだから。
今更だけど。
ありがとう、私の大好きな娘・・